中国人民元のSDR通貨採用は人民元によるFX投資増加には繋がらない

by Forex Magnates at 2 December, 2015 カテゴリ: 海外総合

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Photo: Bloomberg

国際通貨基金 (IMF)の「特別引き出し権 (SDR) 」通貨バスケットに中国人民元が採用された。この決定が通貨市場に及ぼす影響は大きい。しかし、このことがリテールFXトレーダー達の投資活動を変えるのだろうか?

全てのリスク・イベントはマーケットに織り込み済みであったため、マーケット自体は普段通りであり、特に大きな変化はなかった。それよりも気になるのは、現在及び将来にわたって主要通貨に与えるインパクトだ。

人民元のSDR採用はほぼ確実と見られていたため、正式発表に対する驚きはさほどなかった。しかし一部の人にとって意外だったのは、米ドルのSDRバスケットに占める比率である。米ドルの比率をみてみると、これまでよりも0.17%引き下げられて41.73%となっている。

地域レベルではどうだろうか。アジアにおける日本の影響力が低下しているという意見を疑問視している人も、日本円のSDRバスケットに占める比率が8.33%にまで低下したという事実には動揺せざるをえないだろう。この比率は以前よりも約1%低く、さらに今回加わった人民元の比率10.92%も下回っている。

人民元の実質的なSDRバスケット組み入れは来年10月に実施される予定だ。しかし、今後10年間は金融市場、世界貿易、そして地政学上にインパクトを与えると予想される。

ソシエテジェネラルのアジア通貨戦略部門長Jason Daw氏は、「人民元のSDRバスケット入りは十分に織り込み済みだったことから、ポジティブな反応は短期的なものになると予想しています。」とコメント。実際、翌日のマーケットの動きはその通りになった。

市場力学の点でも、人民元はいまだ変動相場制ではないため、中国が資本コントロールを廃止し変動相場制に移行しない限り、人民元の価格変動は大きくはならないだろう。

いくつかの中央銀行は自国の準備金に占める人民元の比率を上げなければならなくなるかもしれない。しかし、そのようなプロセスは時間をかけて徐々に進めていくだろうし、貿易で多額の人民元を要する国のみに当てはまると考えられる。つまり、人民元の購入を検討する国のほとんどがアジア諸国だということだ。それ以外の地域においては、それほど人民元が決済に使われることはないからである。

HSBCのアナリストによると、「結局、投資家が求めているのはボラティリティの高い通貨です。そのため、人民元がSDR通貨に採用されたからといって、必ずしもRMBが強くなるとは言えないのです。」





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