不透明な状況でのリスク軽減に向けて、企業投資家が銀行を頼みの綱に

by Forex Magnates at 13 September, 2015 カテゴリ: 海外総合

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FX市場に参加しているのは、何も投機家だけではない。グローバリゼーションが加速する中で、為替や金利の変動リスクにさらされる企業は益々増加している。これらのリスクは、企業の財務基盤に重大な影響を及ぼす恐れがある。

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トニー・ベディキアン氏 シチズン銀行グローバルマーケット部長

そのため、このような国際的企業に対し、銀行やその他金融機関はヘッジ商品を提供、逆方向のボラティリティによるリスクの軽減をサポートしている。

ファイナンス・マグネイトは今回、シチズン銀行グローバルマーケット部長のトニー・ベディキアン氏からこの夏市場を騒がせた出来事が企業に及ぼした影響について話を伺った。

金融のグローバル化

この夏、FX市場は前代未聞のボラティリティ水準を経験した。例年であれば、その時期にはトレーダーやマネー・マネージャーらはビーチで過ごしているはずだった。

ベディキアン氏は、ここ数週間の出来事の中心には中国がいたと指摘した。中国を発端として、人民元切り下げや 株式市場暴落 、景気減速など数々の関連性の高い問題が発生し、現在も引き続きグローバルのコモディティ市場や通貨に影響を及ぼしている。「中国が咳をすれば、世界中のその他の国々が風邪をひく。」ベディキアン氏の説明によると、「その時、中国がマーケットのけん引役だった。この中国の問題はとても興味深い。通貨、株式、中国の経済成長、そしてコモディティなどの全てが密接に関連している。」

過去10年以上にわたって、中国ブームだったことは明らかな事実だ。おそらく、中国はこれまでバブル状態にあり、それが今元に戻ったのではないか…。現在、中国は成長を加速させようともがいている。輸出を促進するために、人民元切り下げも実施した。」

ベディキアン氏は、上記の観点からより詳細に分析する。「米国やその他諸国においても、これまで過去数十年間にわたって何度もバブル経済とその崩壊を経験してきた。そしてその多くの場合において、中央銀行や政府による景気刺激策も必要とされてきた。中国も、そのような刺激策による対応を実施しているようだが、効果が出るのはもう少し先になるだろう。」

中国自身以外で大打撃を受けた市場は、投資ポートフォリオにダイレクトに関連している市場、つまり新興市場、コモディティ輸出国、アジア経済だ。欧州株式市場もまた、調整局面に入っている。米連邦公開市場委員会もしばらく利上げに踏み切ることはなさそうに見える。

したがって、企業の財務部門は新興市場(EM)通貨の下落や米国有価証券の低イールドになんとかして対処しなければならない、という状態だった。

リスクヘッジ

このような不透明な環境においては、シチズン銀行などの銀行は企業顧客が為替・金利リスクを軽減できるようサポートする役割を担っている。

その為に、シチズン銀行は金利スワップやオプションなどの金利商品、そしてスワップや先物などのFX商品を提供している。

例えば、メキシコペソなどの新興市場通貨が史上最安値にまで下落した時などは、多くの顧客が通貨取引に関心を示した。

ベディキアン氏は次の様に説明した。「弊社のお客様の中には、新興市場通貨の為替リスクに影響を受ける方々がいる。これらの通貨の多くは、史上最安値、又は2008年の金融危機時の安値にまで下落した。これらの通貨を使用して給与支払いを行っているお客様もいらっしゃるため、多くのお客様が為替リスクヘッジ商品に関心を示している。」

市場の動向を正確に予測できる者などいないが、ここ最近のボラティリティを見ても「リスクを取り除く」ことがベストな対策だ。もしも中国が新たな局面に入り、状況が改善したら、コモディティや新興市場も改善するだろう。これらの市場は、わずかなきっかけで方向転換するからだ。」

現在のグローバル市場の不透明な状況、そしてSNBが引き起こした「暗黒の木曜日」などの最近の出来事のトラウマなどを全て踏まえて、OTC市場の公正化・透明化に向けての対策に取り組む規制当局が増加している。そのため、今後ますます多くの企業顧客がリスク削減や将来的なプランの方法を模索することになるだろう。

さらに、投資銀行らが社内投資ポートフォリオをスケールダウンし、リテール市場の競争が激化する中で、企業顧客向けの銀行サービスの需要は今後も継続すると予想される。

 





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