天然ガス業界の見通しは暗い

by Forex Magnates at 1 September, 2015 カテゴリ: その他 | 海外その他

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(写真:Bloomberg)

今週緩やかに回復しているものの、エネルギー価格は依然として低い水準のままだ。これは、地政学リスクやコモディティ需要よりも、世界経済状況に関して浮上している懸念の方が重いからだ。

米国の生産高は依然として高く、さらに重要なことには、在庫水準が上昇し続けており、米国エネルギーパッチ融資に関する混乱の高まりの中でエネルギー価格回復にかける生産者の希望は打ち砕かれた。

キャピタルマーケットへのアクセスが難しいということは、米国エネルギーパッチ業界にデフォルトや破産の波が押し寄せることになり兼ねない。エネルギーパッチ業界では、現在同業界を取り巻く新たな現実を反映して企業の統合、合併、組織再編が実行されており、それまでの間生産活動を停止したりしている。

ファンダメンタルの状態

天然ガス価格は多くの場合、過去12ヶ月間の原油価格と同じ価格パターンをなぞっている。生産能力の高まりは供給側の成長を、グローバル貿易の減少は需要側の停滞又は縮小を示している。

これまで多くの場合、状況は過去数年間の生産能力強化ブームを反映していた。ゼロ金利に物価上昇が加わり、投資家の目には高リスクな新規開拓や生産開発がより魅力的に映るようになったからだ。

銀行は先頭に立って同セクターに多額の与信を行い、生産ブームを後押しした。そして多くの場合、超過分を保管しており、これにより過去数年間にわたって同産業の運命を決定してきた。現在、価格は長期間にわたって低迷しており、生産者ヘッジは失効を迎え、高利率で借入を行っていた企業への与信はすぐに枯渇してしまった。

そこで銀行は与信の再評価を実施した。つまり、適切なレートでの融資は、同業界の大多数の会社にとって支払不可能である、とした。稼働リグ数の減少に見られる通り、生産水準は既に減少している。

米国ガス・パッチ、及びベーカー・ヒューズ(Baker Hughes)から入手した最新の数値によると、稼働中のガス・リグは先週の210から8月28日には202にまで減少しており、リグ数は継続的に減少していることが分かった。

稼働ドリル・リグ数はピーク時の2012年には811だったが、そこから75%以上減少した。効率と生産量が上昇した結果、過去数か月間で増加したのは在庫数のみ。保管数値に関して言えば、在庫数が前年比で15%以上増となった。米エネルギー情報局(Energy Information Administration)から入手した最新のエネルギー省データによると、ガス在庫数は前年比 17%以上増となった。

天然ガスは米国の発電量のおよそ25%を占めているが、今後しばらくの価格モメンタムの主要要因は、引き続き気象状況の移り変わりとなる。温暖な気候で需要が喚起され、空調部門の生産量増加に繋がる傾向にあるという。そのほかには価格上昇に繋がるような国内の需要先はないため、災害や天候の急激な変化が起こる場合を除いて控え目な結果に落ち着きそうだ。

テクニカル分析

テクニカル的には、天然ガスは過去16ヶ月間の低い天底に見られる通り、現在長期間にわたって低価格で取引されている。

米国のシェールガス・ブームによる生産増、そして需要減が原因で、2014年の高値からおよそ60%下落、20%の閾値補正を大幅に上回っており、ガス価格が下げ相場にあることを示している。米国ガス市場が比較的孤立している傾向にあるということは、つまり液化天然ガス輸出市場が今以上に発展しない限りは価格高騰が促進されるということは起こりそうにないということだ。

さらにテクニカルな点で言えば、夏に50日移動平均線が200日移動平均線を上から下に突き抜けるデッドクロスが見られたため、通常通り下降トレンド入りとなるだろう。これまでを総合して、そして価格が依然として短期・長期両方の移動平均線の下にあることを考慮すると、天然ガスには下げ相場の兆しが見られる。





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