フィンテック・スポットライト: スタートアップ企業OffLAによるモバイル決済不正利用対策

by Forex Magnates at 5 August, 2015 カテゴリ: 金融 テクノロジー

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(写真: Bloomberg)

モバイルペイメント(モバイル決済)は未だ主要市場において幅広く採用されているとは言えないようだが、二つの要因から、これから確実に普及率が高まると断言できる。一つ目は、ほぼすべての主要なモバイル企業が一定のモバイル決済フォームを端末の中心的機能として組み込んでいることだ。これには、セキュリティ強化を目的とする指紋認証機能が搭載されたハードウェアや、数百万台ものデバイスで使用されつつある Android Pay や Apple Pay などのソフトウェアが含まれている。

二つ目は、企業が使用する次世代型POS(販売時点情報管理)ハードウェアが、モバイルテクノロジーやNFC(近距離無線通信)テクノロジーを取り入れていること。より新しいデバイスが旧来型のPOSシステムに代わって台頭しつつあり、モバイル決済利用者にとっても良い兆候だと言える。今後このテクノロジーを取り入れる企業はますます増加するだろう。

Apple Payと、その指紋認証技術には窃盗に対する脆弱性が確認されている。

しかし、他の全ての新しい決済手段と同様に、モバイル決済にも新しい形態の不正利用が発生している。既に、Apple Payとその指紋認証技術においては、窃盗犯が盗んだクレジットカードをアップロードして窃盗犯自身のスマートフォン上のApple Payアカウントで使用できるという脆弱性が明らかになっている。そのため、たとえ指紋認証サイドで窃盗犯が盗んだスマートフォンを使用する機会を削減したとしても、盗まれたクレジットカードの方には問題が残っている。

クレジットカードの窃盗防止に関しては、防止策として最も一般的なのが銀行やクレジットカード会社で導入されている不正対策システムだ。このシステム上では、利用者の取引タイプと位置情報を分析する。疑わしい決済が発生した時は、クレジットカード利用者はその取引が本当に利用者自身によるものなのか確認するための電話を受けることができる。このシステムの欠点は、取引発生後に確認を行う点だ。さらに、クレジットカード顧客の追跡調査の典型的手段として、人によるコミュニケーションも活用されている。

モバイルとクレジットカード両方の窃盗対策、及び不正取引発生削減のための潜在的ソリューションとしては、スマートフォン内部せ直接決済が可能になるソフトウェア・システムが挙げられる。これらのソリューションを用いた場合、取引が商業者からクレジットカード会社に送信される前の段階で、まず初めにスマートフォン内部にある組込み決済認証ソフトウェアをパスしなければならなくなる。

この分野においては、多くの企業がこのようなモバイル統合型ソリューションを作成している。その中には、AppleやGoogleといった大企業も含まれており、これらの企業も既存の自社モバイル決済ウォレットに追加するための新セキュリティ機能を製作している。これらの有力企業に対抗するのが、イスラエルのスタートアップ企業 OffLA.だ。

決済ウォレットの所有者は、取引がクレジットカード会社に送信されてしまう前であれば取引を発見、削除できる。

会社名もヒントになっているが、OffLAの技術はオフライン認証を使用した決済セキュリティ製作に基づいている。同社の最高経営責任者・共同創業者であるDr. Nachshon Margaliot氏がファイナンスマグネイトに説明してくれた内容によると、同社の目標は「中央サーバーによる取引認証なしで、ユーザーの決済履歴をスマートフォン上で直接認識できるソリューションを作ること」だという。Margaliot氏によると、取引がクレジットカード会社に送信されてしまう前の段階で決済ウォレット所有者が取引を発見、削除できるようになれば、この様なモデルは不正対策により有効になるという。

OffLAは銀行やクレジットカード会社などの金融企業をターゲットとしており、ジョイントベンチャー契約を通して、同社のモバイル決済ウォレット内に統合できるSDK(ソフトウェア開発キット)として提供される。OffLAは、中央システムで処理されているユーザー支払記録を分析することで機能する。次に、この分析結果は個人のモバイルウォレットと同期する。支払が実行されれば、次に取引タイプと位置情報をモバイルウォレット上にあるオフラインのユーザーデータと照合する。

警告を意味するレッドフラグ・マークが表示された場合、セキュリティに関する質問が同時に表示され、ユーザーは複数の選択肢の中から選択を促される。Margaliot氏によれば、OffLA が複数の選択肢のある質問形式を選んだのは、モバイルユーザーにとってその方が回答しやすいからだという。回答を手打ちしたり、PIN番号をいちいち入力していると取引の手間が増大すると語った。複数の選択肢があるセキュリティ質問は、同社の最終目標である「モバイル決済ウォレットのセキュリティと使いやすさの統合」を具体化したものでもある。

 

フィンテックスポットライトは、革新的な金融テクノロジー企業とセクタートレンドをファイナンスマグネイトが徹底的に論評する新しいコラムです。

 





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