コモディティーが低調でもオーストラリアの追加利下げは切迫していない

by Forex Magnates at 25 July, 2015 カテゴリ: 海外総合

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オーストラリアドルはここ数カ月、主にコモディティー価格の下落により下方圧力がかかっている。天然資源輸出に大きく依存しているため、オーストラリア経済はベースメタルを中心とするコモディティー価格低調の悪影響を受ける。主要な貿易相手国が中国であるため、オーストラリア経済はその巨大な経済の需要変動に特に左右される。

このことはオーストラリアドルを始めとするコモディティー通貨に顕著だ。ここ数カ月の中国からの需要低迷により鉱物輸出国の収益が減少しているのだ。鉄鉱石価格は6月初め$64に反発した後、1トン当たり$15下落した。これはオーストラリアドルが約500ピップ下落したのと同時期だ。オーストラリアにとってもう一つの主要な輸出品である銅は$2.43に下落して過去6年間で最低価格となっている。これらの金属価格はオーストラリアドルの値動きに比例している。

オーストラリア準備銀行は現在のところホールドしているが、長期的に見ると利下げサイクルにいる。同行は今年になって合計50ベーシスポイント、二度の利下げをしている。政策金利は2%で、必要ならばさらに引き下げる用意がある。7月7日に発表された直近の金融政策声明はその前のものとほとんど同じだった。安いコモディティー価格が、輸入価格に比べ相対的に輸出価格に下方圧力をかけていると述べている。「…主要なコモディティー価格は1年前に比べるとはるかに安くなっている…オーストラリアの交易条件は落ちている。」同行は企業の設備投資の弱さと継続的な余剰生産能力を挙げ、経済成長が長期的な平均値を下回っていると述べている。

しかし同行はまた「インフレ率は向こう1~2年の目標値と一致していると予測される。」と述べている。目新しい内容でなかったため、このコメントに対する市場の反応は薄かった。為替レートに関するいつもの言い方で「とりわけ主要なコモディティー価格の大幅な落ち込みにより、さらなる下落の可能性がありそれは必要でもある。」と述べている。いつも通りのコメントだったため、AUDは弱含むことはなかった。

指標

7月21日に7月7日の政策理事会の議事録が公開された。今後の金融政策を占うような内容はほとんどなかった。労働市場の改善に触れ、近い将来の利下げは必要ない、としている。しかし7月22日、スティーブンス総裁が利下げはまだ選択肢にある、と繰り返した。総裁がそう言うのは初めてではない。5月の利下げ以来、彼の口から幾度も聞いている。議事録は全般的に、指標データが変化を求めるまで政策金利はしばらく変わらないことを示した。

7月22日のCPIはアナリストの予想に近かった。ヘッドラインの数字は前期比、前年比ともエコノミストの予想にほぼ近いものだったが、オーストラリア準備銀行がインフレ率を測るうえで重視するトリム平均値は、ブルームバーグのエコノミスト調査の予想を少し上回る前年比2.2%増だった。これは第1四半期の前年比2.3%増を下回った。インフレの状況はオーストラリアドルのはっきりした方向性や将来の金融政策についてのヒントを与えるものではなかった。発表は材料に乏しく、政策金利はホールドされるだろうという状況に変わりはなかった。

6月の雇用統計の前月比と失業率は予想よりもやや改善した。これにより利下げはさらに遠のいた。6月3日に発表された第1四半期GDPも予想を上回るものだった。ヘッドラインの成長率はエコノミストに好印象を与えたが、その内訳はあまり良いものではなかった。非鉱業部門投資が鉱業部門の低迷を埋め合わせることができず、その前の週のCapexのデータはこの不足分が来年以降も続くと警告している。アナリストの中には、鉱業ブーム終焉の影響が消費者に広がるため、2015年の残りの期間の成長率は大幅に落ち込むとみている者もいる。

主に中国からの需要低迷とそれに付随する工業金属価格の下落により、我々のオーストラリアドルの予想バイアスはやや弱気である。経済指標に関して、最近の雇用やCPIの数字から分かることはオーストリア経済が比較的、正常運転だということだ。しかし鉱業ブーム終焉の影響は今年の残りの期間、感じられることになるだろうし、次の成長率の数字に反映されるかもしれない。民間設備投資は8月27日に発表されるが、企業の設備投資への洞察を与えてくれるかもしれない。中期的にはオーストラリアドルはUSDとGBPに対し暫定的に売られるが、コモディティー通貨の中では現在のところ最も強い。





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