楽天証券 楠社長 日本のFintech、FXCM買収について語る

by Forex Magnates at 22 June, 2015 カテゴリ: インタビュー | 国内インタビュー

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ファイナンスマグネイトは楽天証券の楠社長にインタビューを行い、日本のFinTechシーンやFXCMのアジアの子会社であるFXCM香港の買収の背景についてお話しを伺うことができた。-インタビュー全体では、さらに日本のFinTech領域の構図や成長についても語られている。

楽天のインターネット通販サイトから日本で最大のブローカーの一つとなった急速な成長についてお話しいただけますか?

楽天証券の前身であるDLJディレクトSFG証券が1999年に設立され、2003年に楽天による買収、楽天グループ入りをした。楽天グループ入りした2003年にはすでにインターネット証券大手の位置づけにあったが、その後の成長において、楽天グループとして活動できたことは非常に大きな意味があった。顧客基盤については、楽天市場をはじめとする楽天会員約1億人に対し、exclusiveにプロモーションが可能となっている。証券の新規口座の約3割が楽天グループからの導入となるなど、大きな効果がある。またインターネット企業としての技術力もグループの力を結集しており、スマートフォン対応や新しい技術の導入により、お客様に最先端のサービス提供が可能となっている。

楽天の日本FinTechシーンへの関わりについてお話しいただけますか?

楽天証券自身が、日本のFinTechをリードする立場にある。1999年に個人向け株式トレーディングツール「MarketSPEED」の業界に先駆けて提供開始するなど、常に最先端のサービスを提供し続けてきた。最近では、スマートフォン専用アプリの先行開発、Mac専用トレーディングツールの開発やApple Watchへの株式情報の提供などを行っている。社外のFintech企業とのコラボレーションでは、「あすかぶ」(投資教育アプリ)との共同開発を行っている。また楽天カード、楽天銀行、楽天生命など、楽天金融グループ全体としてもFinTechに取り組んでいる。20152月には「楽天金融カンファレンス」を開催し、最先端のFinTech関係者を招き、活発な議論を行っている。ペイメント、BitCoinRemittance等幅広い分野で、FinTech分野を楽天金融グループがけん引できると考えている。

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楽天証券代表取締役 楠雄治氏

アジアまた世界で最も投資したいと思われる最もホットなFinTechのハブはなんですか?

当社が出資するかどうかは別として、“Robo-Adviser”の技術は、今後FinTech分野での有望となっていく可能性が高いと考える。

日本のマーケットに進出したい国外のFinTech企業に対してアドバイスをされるとしたら、どのようなアドバイスをされますか?

以下のような要素を持ち合わせることが必要かと考えている。

-日本式 (ローカリゼーション) ; 日本マーケット、日本人の思考や行動様式にあわせた提案であること(単に海外の成功案件ではなく)

-低価格 ; 当初は安価に開始ができる提案であること

-コミットメント; 日本マーケットに対し、長期的なサービス継続の意思を持っての提案であること

スタートアップへの投資または、ブランドの買収を決定するとき、どのような質を楽天は求めますか?

以下のような点を考慮しながら検討することを考えている。

法的準拠、相乗効果、補完関係、理解できるかまたはよく知ったビジネス、人材の質

FXCMを楽天に統合したことによる利点はなんですか?

まず第一にFXCMジャパンの強固な顧客基盤を獲得できたことが大きい。約25万口座、預り証拠金約300億円が楽天証券の顧客基盤に加わることになる。この顧客層に対しては、FXサービスでのサービス利用拡大のみならず、株式や投資信託など証券投資の分野への拡大も期待できると考えている。

第二に従来楽天証券では取り扱っていなかったNDD方式や、MT4のシステムトレーディングを導入できることもメリットであると考える。

FXCMHongKongの買収の目的は中国市場に進出するためですか?中国市場をどう見ますか?

FXCM Asia買収の目的は、まず香港でのFX事業を拡大させることにある。FXCM Asia はすでに香港における大手FXブローカーとして安定的な顧客基盤を有しており、楽天証券が提供するFXサービス、プロモーションの要素を加えていくことで、オーガニックな成長が期待できると判断している。

中国本土のFXマーケットの可能性は高いとは考えているが、楽天証券にとって初の海外進出案件であり、まずは足元の香港事業拡大を目指したい。その後、各国の規制の状況を踏まえつつ、他のアジア各国への拡大も検討したい。

他のFXCMブランドで買収を考えているところはありますか?

現時点では、これ以上の買収計画はない。

FXCMトレードステーションプラットフォームをどのくらいの期間サポートする予定ですか?なぜすぐ、楽天プラットフォームと取り替えないのですか?

お客様に定着しているサービスであることから、今後継続的に利用していく予定。楽天証券のプラットフォーム導入も検討している。

なぜ、ミラートレーダーのような人気のあった第三者プラットフォームを終了したのですか?

残念ながら、Mirror Traderはビジネスとしては不本意な状況であったため、サービス終了を決定した。

MT4プラトフォームに対する戦略は?バイナリーオプションを日本か香港でFXCMブランド下で提供することをお考えですか?

グローバルにreputationのあるMT4は、今後の戦略的かつ差別化されたサービスとして扱っていく。

バイナリオプションについては、運営方法を含め、検討すべき事項がまだ多くあると考えているものの、引き続き検討を進めていきたい。

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