ゲイン・キャピタル社CEOインタビュー、スイスフラン・ショックの対応、FXのリスクについて
先月15日のスイスフラン・ショックから2週間経ち、続く余波の中FX業界では様々な議論が繰り広げられている。
規制当局から取締りを受ける前にみずから措置を講じた業者もいる。また、カジノに似ているとされるこの業界の監督強化の必要性を強調する大手メディアも複数存在する。
アルパリUK社の差し迫る破産手続きや、ブローカーのベストプラクティスを問う数々の報道がされる中、フォレックス・マグネイトはニューヨーク証券取引所上場のFX・CFDブローカーのゲイン・キャピタル社CEOであるGlenn Stevens氏にインタビューを行った。
顧客に警戒を呼びかけなかったブローカーが多く存在する中、ゲイン・キャピタル社はスイスフランに特別な注意が必要である事を顧客に対し早々に通知していた。
サクソバンクに続き、ゲイン・キャピタル社はスイスフランの証拠金率を5%(レバレッジ20倍)に引き上げトレーダーに注意喚起をした2番目のブローカーであった。
フォレックス・マグネイトは、同社がスイスフラン・ショックをどのように対応したのか話を伺った。
同氏は『ゲイン・キャピタルはスイスフラン・ショックの6-9ヵ月前に多くの措置を講じてきました。これらは全てプラスに働き、今最も重要な事はスイスフラン・ショックが当社の成長にどのように影響を与えたのか評価する事です。昨年夏、ショートのCHFポジションを持つ顧客の増加を目にし、レバレッジ変更を決定しました。当社はただ単にマーケットに従うだけではなく、リアルタイムで状況を分析し証拠金率を5%に引き上げました』と語った。
多くのブローカーがポジションや顧客の弁済能力を過小評価しすぎており、これが最終的にリスク管理システムの穴を作ってしまった。同氏はリスク管理についてこう語る。
『当社はシステムが各顧客、各ポジションを監視しており日々のリスク評価を重視しています。片側の取引に偏る顧客の割合が高い事にマーケットリスクを感じました。』
この割合は、フォレックス・マグネイトが昨年夏にサクソバンクがスイスフラン取引の証拠金率を引き上げ顧客に警告を発した記事で取り上げられた。
これらのアクションはメディア、専門家、規制当局がずっと訴えてきた事とは正反対であり、ほとんどのブローカーが顧客を保護する対応を行わなかった。
報道機関や規制当局の反応について同氏は『スイスフラン・ショックが大々的に取り上げられ、業界が何億もの損失を被った事が明らかになると、非難する内容が多く報じられるようになりました。最近破綻した数社の業者については多くの人に認知され、これによりこの事態が人々の目に留まりました。これは、10台の車を巻き込む事故は、高速で1台の車が引き起こす事故よりも注目されるという事に例えられます。誰一人1台の自動車事故のほうがより深刻であるという可能性に気づいていなく、人々は詳細に目を向けません』と述べた。
FXがいかに大衆市場に不適切な商品であるかを書いた報道を見ると、十分な知識や情報に基づいていない内容であると感じる。これについて同氏は『多くの場合、資産の大半を失っているのはわずかな数のプレイヤーだけです』と語る。
スイスフラン・ショックによる実際の影響については『スイス国立銀行の決定が及ぼした打撃は数千人の顧客ではなく数百人の顧客に集中しています。多くの否定的な報道記事を読むと、数十万人もの顧客が影響を受けたと思ってしまうかもしれません』と言及した。
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この記事は英語版のオリジナル記事をWESTERN Inc.が日本向けに編集したものです。
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