日次取引高6兆ドル産業の真偽:非ディーラーによるFX取引が増加

by Forex Magnates at 8 November, 2013 カテゴリ: FX取引サービス | その他 | 国内総合 | 海外FX取引サービス | 海外総合

 BIS(国際決済銀行)が3年に1度とりまとめるFXに関する調査内容を吟味したことにより、ほぼ間違いなく非ディーラー系銀行の参入増加が昨今の主要トレンドであることが分かった。報告書では、通貨別の取引高、取引相手、および地域など、取引に関する詳細情報に関して参加ディーラーへ聞き取り調査が行われている。

 「その他の金融機関(other financial institution)」が、取引相手区分のトップとなった。調査がまとめた、ある1日の世界のFX総取引高は5兆3,000億ドルであるが、そのうちの2兆8,000億ドル、すなわち53%をこの区分の取引が占めている。「その他の金融機関」には、FX市場でのディーラーの機能を持たない小規模銀行、投資銀行所属のトレーダー、年金基金などの機関投資家、ヘッジファンド、ミューチュアルファンドが含まれている。このグループの取引高は2010年には1兆9,000ドルであったが、直近では、当時の48%増の2兆8,000ドルまで成長した。過去3年間市場シェアを拡大し続けた「その他の金融機関」が、2010年に行われた調査期間中にレポーティング・ディーラーを上回った。

 非ディーラーの取引高増加の背景には、複数の要因が存在する。電子取引が発達したことにより、ティア2やティア3の銀行がこれまでより容易に顧客へオンラインを通じたFXソリューションの提供を行えるようになったことが主要因と考えられる。また、FX取引高に対する利益率が減少傾向にあることも要因の一つだ。このことにより、主要銀行はマーケティング活動として、取引高100万ドルあたりの収益率がより高く、競合が比較的緩やかな国へサービスを進出させることに力を注いでいる。結果として、最近では東南アジア諸国ならびにポーランドやトルコといった国々の銀行がFXオンライン・トレードへの参入を果たした。

アジアにおける機会

 ネットワークの発達によって多くの人が流動性の高い英・米市場へアクセスする機会を得たが、これらの市場は依然としてローカライズ・プライシングの代用でしかない。それゆえ、地元のトレーダーに比べ、スリッページ・コストの増加と高いレイテンシーが外国企業への負担となっている。この点に関して、FlexTrade社セールスマネージャーのBondesen氏は、流動性が高い主要マーケットについてはローカライズされたハブの構築が有効であると見ている。同氏は特に、アジアのFX専用リクイディティ・センターの設立について言及し、これが昨今のFX業界における重要トレンドであると話した。

 結果として、英国や米国の金融センターから独立した取引市場の創設が可能なディーラーおよびECN(電子商取引ネットワーク)は、地域的位置を活用してリクイディティを売り込むことができる点で有利となる。この点については、目下のところシンガポールが、アジアのリクイディティ創出の中枢としてこの地域の他の国々をリードしている。最新のBISレポートを見ても、シンガポールはFXの仲介取引で1日の取引高3,830億ドルを記録しており、こうした観点からも同国がアジアの国々をリードしていることが分かる。FX日次取引高は日本が3,740億ドル、香港が2,750億ドルであり、これらの国と比較してもシンガポールのリードは明確だ。

日次取引高6兆ドル市場の検証

 上記のように、オンラインのFXソリューション提供を開始する小企業が増加すれば、当然の結果として、これらの企業は顧客に対するディーラー業務のノウハウを身につけるはずだ。しかも、「その他の金融機関」の区分に属する企業の多くの取引フローが主要ディーラーのそれに追いついていないため、BISの統計に織り込まれていない。フォレックス・マグネイトは10月のリテール市場の分析を行い、その結果、リテール部門の取引高は、ブローカーが内部処理を行ったフローに基づいて概算した場合、BISが報告した日次取引高780億ドルの少なくとも2倍程度あると考えている。同様に、主要ディーラーの勘定に織り込まれることがない非ヘッジ取引は、BISが報告した非ディーラーによる取引高2兆8,000ドルにも含まれていない。しかし、貯蔵リクイディティが注文フローの50%以上を占める小売業者とは異なり、地方銀行間のマーケットメイクは20~40%程度と推定される。

 マーケット全体の取引高を算出するには、報告された2兆8,000億ドルのうち、売りサイドによる割合を把握することがやはり必須である。BISがまとめた取引額に基づき、2兆8,000億ドルのうち、1兆1,830億ドルがFXスポット取引による取引高であると算出した。スポット取引高を基盤に売りサイドのマーケットメイクによる取引高を導き出し、それが非銀行のオリジネーションの30%に相当するものとした。我々は、1兆1,830億ドルの14%~28%程度が追加的に取引されていると推定した。その中点である21%に相当する約2,500億ドルを未報告の取引高へ追加した。未報告のリテール取引高を低く見積もり、日次ベースで800億ドルであると仮定して上乗せすれば、2013年4月時点のFX市場全体の日次取引高は総額で5兆6,300億ドルとなった。

 しかし、こうした算出が概算によるものであることは否定できない。また、この算出は市況がやや下降気味となった2013年4月の取引データに基づいたものである。だが、リテール市場ならびに地方銀行の両方において非ディーラーの参加が増加したことを考慮すれば、未報告の取引高比率が大きくなっていることは確かだ。それゆえ、6兆ドルの日次取引高が確実に発生していると断言することはできないものの、FX業界成長の牽引役が多岐にわたって存在することを考慮すれば、その数値は実際の取引高から1兆ドル単位でかけ離れているとは到底言えない。

この記事は英語版のオリジナル記事をWESTERN Inc.が日本向けに編集したものです。

latestreport_here





コメントはまだありません.