買い手はご用心を:英国の監督当局はFX市場の相場操作を追及

by Forex Magnates at 14 June, 2013 カテゴリ: 各国FX規制関連 | 海外FX規制関連 | 海外総合

 英国の金融行動監視機構(FCA)はFX市場における外国為替レートの操作の可能性を調査する手段について検討し始めた。これは、ブルームバーグの実施した調査によって為替レートの操作と見られる事例が再び表面化したためである。今回中心となっているのは業界で「フロントランニング」として知られている手法である。

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 フロントランニングとは、金融機関が様々なデリバティブやインデックスの値決めに用いる通貨のフィキシングタイムをいくつも設けるようなやり方である。したがって、複数のインデックスを参照する多通貨ファンドの場合、様々な通貨のレートが変わることでポートフォリオの価格が変わってくる可能性がある。通常フィキシングタイムは日本、ロンドン、ニューヨークの3つであり、インデックスを参照するファンドの値付けに用いられている。

慣行化している相場操作

 フォレックス・マグネイトはこの話題をさらに展開する。業界の情報筋によれば、現在の状況は、ファンドマネージャーがインデックスとの対応を図るためフィキシングタイム前後でポートフォリオの再調整を行っているという事実を利用している一部のトレーダーがもたらしたものだ。ファンドマネージャーは、フィキシングタイムの前後に取引が成約するように、フィキシングタイムの約30分前に買いまたは売りを入れようとする。その時点で、注文はトレーダーに送られ、フィキシング価格で実行される。

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DF Markets社
Trevor Clein氏

 この調査の実施方法に関して、DF Markets社のコンプライアンス担当取締役兼MRLO(マネーロンダリング報告責任者)のTrevor Clein氏はフォレックス・マグネイトに対し次のように説明した。「規制対象企業がシステム、管理、事務手続きおよび記録について懸念があるのであれば、外部のコンサルタントに依頼して点検を行ってもよいかもしれない。FCAが権限を行使し、セクション166に基づき報告を求めてくるのを待つよりも、そうした方が企業にとってはるかに良いだろう」。つまり、外国為替相場について不適切な値決めを行っている会社にとっては、あらかじめ手の内を見せてしまった方が賢明かもしれないということだ。

 Clein氏は次のように指摘する。「コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を実施し取締役会に継続的な説明を行うよう求められているが、これは常に守られるとは限らない。企業はしばしばその不適切性を否認し、事態を収拾するための資源を有していないため、時には課徴金を徴求されることになる。また、システムや管理にあたっての違反が明確となった場合、指針11に基づく報告書を作成しFCAに報告することが求められている。」

規制されてもなお横行

 ロンドンのFX会社が匿名を条件に語ったところによれば、「もっともな不満もあるようだが、これがスポットFX取引規制の強力な推進の一環として時限的に実施された場合、それと引き換えにこうした行為をもたらす可能性があるのではないかと見ている。この場合、当局が根拠とする規則によって誰かを告発することが認められるのかどうかすら私には確信が持てない」という。

 合法性に関する限り、顧客の情報を自己勘定の取引に利用することは禁じられた行為である。しかしこれは広く行われている。ファンドマネージャーからは、このことによって、取引後、短時間のうちに逆転してしまう人工的な価格上昇がもたらされるとの不満が出るかもしれない。

 一方、これは極めて一般的な慣行であり、二面的な行動がなされる。大手の顧客は自らの注文が先に執行されると信じて大口の買い注文を入れるが、実際の市場ではさらに大量の売り注文が出されている。こうした状況が生じていることから、共謀するトレーダー達がまず買い始め、価格は上昇する。価格が上昇した時点で、ファンドマネージャーは注文を入れた買い手に対し売り始め、そして売りにさらに積極的になる。価格は下落し、買いによる損失が生じ、共謀しているトレーダー達はポジションを解消し損失を確定させる。こうした行為の横行は特に株式取引において明らかである。

 問題なのは、誰が得をして誰が損をするのかという点である。

この記事は英語版のオリジナル記事をWESTERN Inc.が日本向けに編集したものです。

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