FX市場動向、海外進出にについてSBIリクイディティ・マーケット株式会社にインタビュー

 SBIリクイディティ・マーケット株式会社は、FX取引環境を提供するマーケットプロバイダーである。そのSBIリクイディティ・マーケットにFX市場動向並びに海外進出に関してフォレックス・マグネイトはインタビューを行った。

1. レバレッジ規制における日本のFX市場への影響をお聞かせください。

 レバレッジ規制は2段階施行で、2010年8月50倍、2011年8月から25倍に規制され現在に至ります。初期レバレッジ規制施行2010年8月直後、業者により400~600倍のレバレッジで取引可能が突然最高50倍のレバレッジ規制でFX市場全体としては売買高は一時3割程度減少する事となりました。しかしマイナス影響は長くなく2回目の25倍規制では投資家もレバレッジ規制内容を把握していた為、売買高への影響は限定的となっています。このレバレッジ規制では一時的に投資家の売買高減少となりましたが一方FX取引の低ハードルで新規投資家を呼び込むといったプラス効果もありました。25倍規制から約2年後の現在日本個人投資家はレバレッジ25倍が当前の取引ルールとして馴染んでいます。現在の店頭FX月間取引金額もレバレッジ規制前の最高売買高を超えてきてレバレッジ規制のマイナス影響は消化済み、現在は健全市場が整備による市場拡大という好影響の方が大きいと捉えています。

2. FX税制の与えるFX市場、御社ビジネスへの影響は何ですか?

FX税制は税制改正に伴い2012年1月1日から店頭FX取引に関する税制扱いが変更、以前は税制上有利であった取引所FX取引の方式(申告分離課税方式)に一本化されました。この税制変更は店頭FXにとって有利、取引所取引にとっては魅力減退として作用しその影響具合は改正前後で比較して取引所取引(くりっく365)の売買高56%大幅減少(2012年度対前年度比)の状況からも明確です。店頭FX市場にとっては従来の取引所取引顧客層を取り込む機会となりこちらも好影響を受ける事となっています。

3. アベノミクス相場のFX市場への影響はどのようでしょうか?

現在、日本FX市場はアベノミクス相場を受け、嘗て世界的にその名を知られた「ミセスワタナベ」の投資行動も再活発になってきています。その投資スタイルも様変わり嘗ては金利狙いの逆張りのみのミセスワタナベが最近はマーケットトレンドに合わせたトレンド フォロー、尚且つ損きりも早くなりポジションホールド時間も大幅に短縮、回転の効いた取引を行うようになってきています。折からの株式市場上昇に伴い投資家の投資余力は拡大。より短期により大きなポジションで積極的になったミセスワタナベの取引が為替市場に与える影響は大きくなってきています。当社でも2013年に入り毎月次取引高が過去最高を更新するといった状況です。現在はレバレッジ規制、税制改正の影響はなく上述の通りむしろプラスの影響と考えます。

4. 日本のFX取引と海外進出に関してお聞かせください。

日本のFX証拠金取引市場は世界一の取引量があり、即ち日本FXブローカーは自国市場を対象にするだけでも十分な収益を上げていける事になります。以前は豊富な自国市場開拓に資源を集中させてきた為、海外展開まで手が回らなかったというのが実情でしょう。巨大市場とはいえ国内登録FXブローカー数は61社と、競合他社の数も抜群に多い環境下、要求レベルの高い日本の個人投資家の声に応えていく中で日本のFXブローカーが提供するサービスクオリティは世界基準でも非常に高水準となっています。インターバンクよりもタイトスプレッド提供などはその際たるものでしょう。

5. 御社の拡大戦略は何でしょうか?

2008年、SBIグループ内企業にFX取引のインフラを提供する為に設立されたSBILMは、現在260万口座を誇る日本No.1オンライン証券会社であるSBI証券、3兆円弱の預金総額を持つSSNB、世界最狭スプレッドでサービス展開中FX専業会社SBIFXTと3社にサービスを提供しています。去年LMの100%子会社として設立したSBIFXTをもって、国内FXビジネス展開はある程度体制が整ったといえるでしょう。そして次に狙うのは海外展開です。 SBIグループはグローバル展開の金融コングロマリットです。以前から世界に散らばる各拠点からFXビジネススキーム移植のリクエストを受けていました。国内体制作りに目途がたった現在海外展開に向けてアクセルを踏み込み始めたところです。

6. 日本市場と御社目標についてお聞かせください。

日本市場は、まだ拡大の余地は広大に残っています。日本家計資産総額1,547兆円に対しFX市場全体の預り高で約1兆1,000億円、店頭FXに限れば8,931億円と0.05%に過ぎません。この市場の更なる拡大の為にも、レバレッジ規制等の健全な市場環境整備は不可欠なアクションで今後も継続していく必要があるでしょう。当社はブローカーとして海外展開を進めていくだけでなく本来あるべき市場環境、市場ルール整備の手伝いという事も踏まえアジア中心諸国への事業展開を現在準備中です。本来あるべき市場環境という点で現在最も注目を集めているのはスリッページ規制でしょう。これはお客様からの注文を受けた際、意図的にお客様にとって不利なレートにスリッページするように操作し約定を返すなどの行為です。この様な行為は本来あるべきお客様の注文の最優良執行とは真逆であり絶対に許されない事と考えます。他国に比べ透明性が高いとされる日本FX市場において個人投資家が本当に安心、安全にFX取引に参加できるようFX市場環境の更なる整備を行う必要があります。その為当社が提供する極めて透明性の高い市場の態様を外部に発信していく事がより大切なのだと考えています。

7. 市場拡張の上で御社が進出を考えるトップ3地域はどちらですか?

現在、要請を受けている国は、東南アジア全域、中東、そして当然のことながら中国などからオファーを受けています。

8. 海外に支社を開設する際に、御社が直面することになると思われる課題は何ですか?

  • 取引システムの現地語対応
  • 適切なパートナー選択
  • 現地のユニークなレギュレーションの把握
  • 現地の通信インフラ状況

などです。

9. 最も流動性の高い通貨ペアは何ですか?

 ドル円です。

10. 他社ブローカーも海外進出を考えていると思いますか?

 他社ブローカーも勿論考えていると思います。実際海外支店展開の会社は既にありますし、リサーチの話しは良く耳にします。日本での厳しい競争に勝ち残った会社が狭いスプレッドときめ細やかなジャパン・クオリティのサービスを武器に海外に展開するのは当然の流れと言えます。しかし弊社が懸念している事は支店を出店した国でのサービス展開という責任に真摯に向き合っているかという事です。即ち規制の未成熟な地域に出店して規制の隙を突くようなオペレーションを規制ができるまで続けるような事があってはならないと考えます。

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