FX高頻度取引(HFT) の将来とEBS社

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 今週、ヘッドラインに高頻度取引(HFT)が返り咲いた。業界で話題になっているのは、取引障害でも規制上の結果でもなく、取引サイトである。ファイナンシャル・タイムズ(FT)の週末版に、ICAP社のEBS FXプラットフォームの特別レポートが出た。執筆者はStephen Foley氏で、タイトルは、「HFTトレーダーがスピード制限に直面する」だった。EBSのCEO Gil Mandelzis氏は、FTとのインタビューで、EBSが、既存の先入先出(FIFO)による取引手法を見直し、注文を集約させて任意に執行できるようにするかもしれない。そしてこの変更の目的は、HFTトレーダーにスピード制限を課すことで、もはや、そのスピードでは、単独で取引を執行できなくなると述べた。

 EBSのCEOであるGil Mandelzis氏は、「取引サイトの主要参加者は、HFTに興味を持っていない。HFTの存在は、プラットフォームに悪影響を及ぼす。テクノロジー同士の戦いで業界にとっては、重い負担だ。取引戦略に関係ない、スピードのみに、膨大な投資を行っているからだ。スピードは多くの参加者が私達の市場に参加する理由とはほぼ無関係である。彼らは、レースに参加せずに、取引リスクを交換しに来るプレイヤー達だ。」と述べた。

 今、現在、EBSがこれらに対する変更を行うかどうかはわからない。しかし、その方向に向かっていると思われる。取引高の減少の中で、EBSは、昨年、取引条件を変更した。主要変更点は、0.1ピップ プライシングの廃止だった。主要通貨には、0.5ピップ刻み、流動性の低い通貨は、1ピップだ。クオートと約定率目標も変更された。その時点では、HFT注文フローを抑制するのが、目的だった。EBSは、今回、この記事を使い、フィードバックを得て、変更を行う前に、全体のニーズを確認したいと考えている。

CMEのレイテンシー

 CMEグループは、HFTトレーダーが、恩恵を被っているというWall Street Journalの記事に対応して、昨日、プレスリリースを発表した。取引執行レポートは、データが公開される前に、会員ブローカーが受け取る。従って、Bid、Askを提供するトレーダーは、このデータを利用し、市場の方向性を知ることが出来る。これは、何分の1秒の世界の話だが、HFTトレーダーには有効で市場の変化により素早く対応できる。

 この点について、CMEは、顧客が受け取る取引報告書と公開データフィードに上がるまでの時間を含めて、常に効率化への改良を行っており、そのようなレイテンシーは、コンスタントなものではないと否定した。

HFTの好ましくない点

 マーケット・メーカーは、他のリクイディティ・プロバイダーが、より積極的にプライシングを行うよう仕向ける。Progress Software社のSolution Architect, Capital marketsであるBen Ernest-Jones氏は、「HFTの大きな効果の1つは、市場の非効率をすかさず拾うことで、スプレッドを究極的に狭くさせるだろう。これは、他のトレーダーが、HFTトレーダーの前にベストプライスを得ることを困難にする。一方の企業が、合理的なマージンを得ることも不可能にする。EBSは、HFTをブロックし、(スピード制限を課し)スプレッドを広くし、銀行にとって執行可能なマージン取引を増やし、ネットワーク上でさらに取引を増やすように、舵取りをして行くだろう。(これがEBSが望んでいることで)プライスは、多少上がるだろうが、フェアなマーケットを目指すだろう。」と述べた。

Ben-Ernest Jones, solution architect at Progress Software

Ben-Ernest Jones, Solution Architect at Progress Software

 ディーラーにとっては、HFTは、いくつかの問題を含んでいる。プラットフォームのオーバーロードを招くことだ。裁定取引のターゲットとなり、他のトレーダーに影響を与える。リクイディティ・プロバイダーにとって、最悪な顧客へのプライス提供を意味する。HFTが、蔓延る、モニターされていないECNでは、ディーラーのプライスは、広がり、リクイディティーは制限される。ECNオペレーターにとって、HFTトレーダーは、有利なコミッションにつられてやってくるが、プライシングやリクイディティに影響を与え、非HFTトレーダーを遠ざけるだろう。

EBS 1社ではない

 EBSのみが、HFTを制限しようとしているわけではない。ICAP社のインターディーラー ライバルであるTradition社のParFX、新たにローンチされたLMAX Interbankは、HFT取引を制限している。先月ローンチされたParFXは、顧客へのFXオファーを改善している。ランダム・エグゼキューション・プロセスを使い、フェアなトレーディング環境を提供できる、ロジックを新たに組み込んでいる。LMAXでは、技術的な制限を課さないが、ルールブックの中でHFT取引を制限し、「銀行は、HFT取引を目的とするサービスをLMAX InterBank Serviceのために提供していない」と明言している。

HFTは、どこに向かう?

 HFTを過小評価することは容易かもしれないが、彼らが、他の参加者のコストで価格の優位性を得ようとしていることは事実だ。取引システムは、さらに早くなるだろう。スピード制限や注文のランダム化が起こっても、HFTトレーダーは、存在し続け、他の市場へ向かうか、これまでの取引手法をさらに改良するだろう。HFTが消えるかどうかの質問は、注文フローがどこに向かうかを尋ねるくらい意味がない。

この記事の原文はこちら(Original article by Ron Finberg at forexmagnates.com)

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