キプロスFXブローカー 顧客資金 東ヨーロッパへ移動か?

 キプロスの金融危機の影響で、キプロスのFX、バイナリーオプション業者が、顧客資金を海外逃避させている。

 ブローカーの多くが、キプロスの銀行口座に、資金の引出し制限が課せられた段階で行動した。キプロス銀行とLaiki銀行の口座は、ヘアカットされることとなり、ブローカーはクレジットカードによる入金口座を、キプロス国外の銀行へ移動する動きを早めた。既存業者も新規登録業者も、共に国外口座へシフトした。

 キプロス銀行とLaiki銀行の完全な破綻によって、キプロスは事前に予定された資金援助以上の資金が必要となった。結果、4億ユーロの金備蓄が売却され、経済の弱体化と信用の失墜を招いた。

 既に多くの業者が、他国である別の法地域に口座を開設した。NetPay社のVP of Sales and MarketingであるDanielle Lebhar氏は、「NetPayの顧客の多くが、ラトビアやルーマニアのような非ユーロゾーン国家に顧客の資金を移している。」と語った。ブローカーは、口座開設に伴って、顧客から資金が入金された場合には、キプロス国内ではなく、必ずこうした海外口座に資金が届くように、資金取り扱い業者に指示している。

 ラトビアが人気

 ラトビアは、ヨーロッパにありながらユーロゾーン加盟国ではない。キプロスの多くの業者は、金融商品市場指令(MiFID)に管理されるEUでビジネス行うが、顧客資金の管理はユーロ通貨地域を避けている。

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Latvia’s Capital City of Riga

 しかし、3月にラトビアはユーロゾーンへの加盟を申請した。このことが前述の動きにどの程度影響を与えたか、現時点ではコメントできない。ユーロゾーンから独立していることで、キプロスのようなヘアカットの再来を避けられると、FX業界は考えていたからだ。ラトビアの経済は堅調で、昨年5.7%のGDP成長を達成している。

 欧州各国が信用格付を落としている中で、同国は2013年3月にBaa2からBaa3へ、ワンノッチ格付けを上げている。顧客資金の保全に注力しているキプロス業者にとっては、魅力的だ。

 今年の初め、ラトビアのブローカー、Renesource Capital社のMartins Priede会長は、「ラトビアの銀行は、ユーロゾーンの規制に準拠する為、欧州中央銀行(ECB)と協働している。」と語った。

 ラトビアのFX業界

 ラトビア国内の多くのFXブローカーは、2008年までに、急速な経済成長と並行して設立された。大手銀行は、プライベート・バンキング・サービスを手掛け、富裕個人との取引を行い、一方小口口座向けに、標準的なリテール取引を提供している。

 ユニークな点は、同国の銀行によるFXの取扱いだ。多くの国では、銀行がFXを取り扱うのは比較的遅く、グローバル金融危機の後が、一般的だった。同国では、2000年代の初めに取り扱いを開始した。小規模の顧客が拡大し、銀行は業界の発展にアクティブな役割を果たしてきた。FCMCライセンスを持つ銀行は、Rietumu & Norvik Bankaなどだ。

 フォレックス・マグネイトは、ラトビアのFX業界について詳細な調査を行った。フルレポートは、こちらだ。

 ユーロゾーン内外の代替案

 キプロスのFX企業にとって、もう一つの代替地域は、ルーマニアだ。エマージング国家として、ラトビアとは異なる金融市場を持つが、法人口座の開設では、使いやすい条件を提供している。一方、キプロス銀行は、イギリスやロシアのような海外法地域の口座を凍結することは、できなかった。

 ユーロゾーン内に留まる選択をする企業は、自己資金口座と顧客資金口座を、イギリスやドイツ、フランスのTier1銀行に置いている。顧客に比較的近く、入金がしやすい上、信用格付けが高い。

 関連責任

 キプロスから資金を海外へ移そうと考えているブローカーは、キプロスに新規資金を送金しないことだけでなく、キプロスではロックされてしまった、ローリング・リザーブ資金を、マーチャントとの決済のために取っておけることも併せて検討する必要がある。

 ローリング・リザーブ資金とは、分別口座で顧客資金分を超えてブローカーが置いている余剰資金分だ。この金額は、マーチャントの種類、ビジネスのタイプによって異なる。FXブローカーによって、固定資金として預けられるが、凡そ顧客資金の5~10%だ。これは、VisaやMasterCardなどのクレジットカード会社で、払い戻しが発生した際のフィーに充当される。同資金を、キプロスの銀行に置いていたブローカーは、アクセスすることができなくなった。マーチャントと決済するために必要なものだ。

この記事の原文はこちら(Original article by Andrew Saks McLeod at forexmagnates.com)

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